2022年11月8日火曜日

整備事例009 後期DEデミオエンスト&レンチマーク点灯

長らく一般の工場で最低限の整備だけ行ってきた後期DEデミオが、不具合でご入庫いただきました。

後期モデルからはアイストップ搭載で、発進時やアイストップ時などにエンジンストールする症状が発生します。似たような時期に一度レンチマークが点灯したとのお申し出もありました。

まずDTC点検を行うと、バッテリー電圧低下を検出していました。通常の整備であれば暗電流やオルタネータ点検など必要な点検を行った上でバッテリ交換(または充電)実施となります。

バッテリは確かに若干のSOC値低下を起こしていましたが、警告灯が点灯するほどではありません。この車はリプログラミングの対象になっていたため、リプログラミングとバッテリ交換により修理対応としました。MFバッテリは液補充ができないほか社外品の質の悪いバッテリだったので、純正品への交換が妥当であるという判断です。

エンジンストールに関しては、データモニタでスロットル開度の値を確認することで原因が判明しました。電子スロットルではよくある事例ですが、スロットルバルブに煤がたまることで補正がかかり、ある時にそれが悪さをしてエンストを起こします。おそらく私のようなプロの整備士は、車に乗ってちょいと発進すればその車の煤のおおよそのたまり具合が感覚でわかると思います。

バッテリ交換でメモリがリセットされるため、この点に気を付けないと交換後にエンストを起こしてしまいます。基本的にアイストップ車はバッテリ交換と同時に必要に応じてスロットル清掃を行うべきですし、そもそも点検時にデータモニタ等をしっかり確認すべきです。OBD診断が12か月点検で義務化されましたが「記録簿にチェック入れて終わり」というエンジニアには呆れてしまいます。プロと名乗るのやめるべきですよね。悪いとわかっていて平気でやる人間がプロであるのは、ちゃんとやってる人間と信頼して預けて頂いているユーザーに対する冒涜です。

私の職場は幸い「点検はきっちりやれ」という方針なのでそのくらいの余裕はありますが、他所では「早車検をやれ」などであり得ない整備を平気でやります。「HV車のブレーキフルードなんか、サブタンクだけ入れ替えてる」なんて言っていた他所のエンジニアもいましたが、そのメーカーのディーラーが不正車検で摘発されたときは正直「やっぱりな」という感じでした。私はそういうモラルの低い整備に断固反対しますし、それを指示している年寄りはエンジニアを育てる気など全くないのだろうと思います。実にばかげていますよね。

仮に自分の職場がそういう方向性になれば迷わず職場を変えるだろうと思います。私はプロと胸を張って言える人間でありたいのです。

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