2025年10月21日火曜日

【動画】所有自転車の現状とか

 

レイダック(2025)


レイダック(2022当時)


マーレ(後半はミニベロランドナーについての話)

全然関係ないおまけ


2025年10月18日土曜日

マーレ荷台改良

マーレのキャリアはブレーキ台座固定ですが、何年かしたら台座溶接が折れそうなので固定位置変更を行います。

GIZAのカゴ用ステーを曲げて精度出しし、取り付けます。カゴステーにしたのは長さがちょうど良かっただけで、深い意味はありません。1個あたり重量222gでした。キャリア本体の不要部分を切り落とすつもりですが、それでも重量増加は避けられなさそうです。

固定はダボ穴で行います。干渉防止のため、シム噛ませての調整が必要です。ライトもこちらに移動しました。スキュワーの取付も変更し、干渉防止と整備性向上を同時に行います。
赤いマーキングがあるのは、干渉防止のための位置合わせです。

リヤも同様。ステーの穴径はM5ではないため、ワッシャーを噛ませています。
【ここから強度計算?】
せん断応力について。
まずは安全率について考えてみます。
路面から大きな衝撃が加わった際は最も荷重が大きくなります。一般に衝撃荷重は12倍程度の余裕が欲しいところですが、市販品のキャリアはダボ穴留めで20kg以上積載可能なものがあります。ということは、そこまでの安全率は必要ないのだろうと推測されます。
昔はM6でしたが、現在ダボ穴はほとんどの車種がM5です。市販品ではダボ穴固定で25kg耐荷重のキャリアがあるので、これで計算してみます。
250N/14.2㎟≒17.6N/㎟…①
実際にはダボ穴は左右のネジ2本で支えるため、
①より 17.6/2=8.8N/㎟…②
ということになります。SCM435(クロモリ)が付属すると仮定しても強度区分12.9なので、
②より 12.9/8.8≒1.46倍
どうあがいても市販品の安全率はたったの1.46倍ですね・・・。自転車程度の振動ならこの程度で十分なのかも知れません。
私はもう少し余裕を見たいので、安全率3倍で計算することにします。
今回もM5ボルトです。ホームセンター等の一般的なボルトは強度区分8.8となります。のちにクロモリボルトに交換予定ですが、とりあえず両方計算しましょう。
SCM435の場合 ①より 250N*1.46倍/3倍≒121N…③
ホームセンターボルトの場合 ③より 121N*8.8倍/12.9倍≒83N
という訳で、一旦は耐荷重8kgで見て、ボルト交換後は耐荷重12kgでいこうと思います。そこからキャリアの重さを引くので、キャリア一個あたり積載量11kgくらいまでにしとけよ、という感じです。
【強度計算?終わり】
ちなみにクイックレリーズの中空ハブシャフト(クロモリ)の断面積を38㎟と仮定すると、耐荷重はダボ穴の約2.7倍でした。そうなると、中空ハブシャフトの耐荷重は66kg。10kgの自転車に60kgの人間が乗るとして後輪荷重は約55%なので、後軸荷重は38.5kgです。
安全率は1.71倍。自転車の衝撃荷重はたかが知れているんでしょうね。3倍はやり過ぎなようです。ただし、今回は干渉の都合上シムを噛ませているので、テコが効いてボルトに余分な負荷が掛かっています。そのことを考慮しても3倍のままでいくことにします。


リヤキャリアは位置が変わるので、ステーをひん曲げました。

ここがちょっといただけないんですよね。たいした荷重は掛かっていませんが、アールワッシャーを買ってこないといけません。

キャリアは、不要となるブレーキ台座固定部分と、元々不要だったカゴ固定用金具を切断しました。

切断部分は適当にタッチアップしてます。
まあ錆びたら錆びたで転換剤塗って塗装し直せばいいんで、適当です。

切断した金具たち。実は今後活用しようという計画があるので捨てずに取っておきます。企業秘密。

ステーは1G締めしておきます。本来は必要ないんですが、後から位置合わせがズレないようにという意味あいです。(車界隈で何でもかんでも1G締めする人いますよねwトレーリングアームとか条件が当てはまらない限りアレはほぼ無意味なんですけど)

ここは仮でタイラップ留めして試走予定。たとえタイラップでも荷重はしっかり受けられる作りにしています。良さそうなら金属バンドで留めるなりした上で、もう少し改良を加えようと思います。

今回の改造により振動時に干渉しそうなので、ビビリ音にならないようにクッション入れておきました。

これにて作業完了。振動やフレーム破断のリスク回避ができただけでなく、今回の改造で前後キャリアが車体中央に寄っています。つまりオーバーハング重量が小さくなったため、走行性能は上がるはずです。

しばらく走ったら、また報告&最終の改良を報告予定です。

★未実施作業★
・結束バンド部分の改良
・荷台との接触部分改良(金属用2液パテ使用?溶接?詳細未定)
・ダボ穴ボルトをクロモリ製に変更
・クッション設置部分に作動不良ないか確認


PS 自作ピザ窯でピザ焼いてきました。



ピザ窯の屋根にカエルいました。



2025年10月11日土曜日

Peugeotマーレ スペック

 ※この記事は情報収集中につき未完成です。各部未計測につき推定値を含みます。

撮影:2025.10.02

車種 Peugeotマーレ(その他詳細不明)
C-C長さ 490(ジオメトリ等詳細は下スプレッドシート)
完成車重量 推定10334g (いわゆるペダル無しの重量。)
車体重量  推定10670g(物理的に自走可能な最低限の状態での重量。)
総重量 実測15349g (保安装置やフェンダー・工具など常備品も含めた、写真の状態での重量。ボトル内飲料は満タンの想定)


以下、スプレッドシート。情報少し古いかも。マーレの欄を参照。



主要パーツ類(合計9716g)

フレームセット/3192g(推定)/Peugeotマーレ ハイテン鋼 ヘッドパーツ込み
ハンドル/330g/サカエCT C-C370mm ф25.4
※ランドナーバー370mm探し中

前アウター受け/43g/ダイアコンペ1252
後アウター受け/7g/日東AS-2
後アジャスター/3g/販売終了?のため詳細不明
ステム/410g/日東NTC-280 90mm
ブレーキレバー/320g/DIA COMPE 144

ブレーキキャリパー/139g×2/BR-M650(DEORE DX)
ブレーキシュー/48g×2/シマノM65T
チドリ/12g×2/DIA COMPE 1242



チェーンデバイス/10g/汎用品改
リヤメカ/195g/シマノ600アラベスク 
※プーリーのみ社外ボールBG入りに交換済



ボスフリー&スプロケット/414g(公称値)/海外製5s14-28T(JIS(BC1.37×24tpi))

クランクセット/501g/7200デュラEX+ライトプロ47T
※↑は2025.10.12更新
クランク固定ボルト/13g×2-1g/シマノ改
ボトムブラケット/302g/シマノEBBUN300B07X
チェーン/300g/CN-HG40
シートポスト/285g/SP-248D改 25.6mm
シートピン/20g(推定)/汎用SBボルト&袋ナット
サドル/317g/DIXNA アキレスサドル

ペダル/336g/WellgoM195
フロントホイール/700g(推定)/手組
リヤホイール/750g(推定)/手組
タイヤ/240g×2/IRC JETTY PLUS 20×1.25(実測28c相当)
フロントスキュワー/42g/組み換え品 シャフトCr-Mo
リヤスキュワー45g/組み換え品 シャフトCr-Mo
ケーブル一式/140g(推定)/アウター日泉・インナーシマノ
エンドキャップ/25g/メーカー不明
ボトルケージボルト/8g(推定)/汎用
チェーンデバイス/15g(推定)/汎用改
BB下ケーブルガイド/13g(推定)/純正
Wレバー/50g(推定)/Huret 片方のみ


バーテープ/40g(推定)/ノーブランド品



付属品類(合計5018g)

カエルストラップ/40g/カエルの森工房 無事カエルストラップ
ベル/40g(推定)/詳細未確認
前後ドロヨケ&ネジ類/400g(推定)/詳細不明 アルミ
リヤ赤色灯/44g/CAT EYE TL-SLR120

ホイールスタビライザー/20g(推定)/自作

両足センタースタンド/450g/汎用品(フレーム台座強度不足のため金具追加)

ライト&ヤジロベエ/300g(推定)/LEDライト
ヤジロベエスペーサー/10g(推定)/汎用ワッシャー
前キャリア/654g/リンエイ鉄・改
前バッグ/ 490g (推定)/F516改

後キャリア/654g/リンエイ鉄・改
後バッグ/470g(推定) /オーストリッチSP-731改

バッグ常備品一式/450g(推定)/工具・バッグレインカバー・スペアチューブ等
ボトルケージ/80g/ミノウラSB100-6F
ボトル/320g/キャプテンスタッグ真空断熱
ドリンク容量/600g/600ml


マーレ変遷の歴史
(以下未編集)

2025年10月3日金曜日

RD-1000スペック

 

撮影:2025.10.02

車両 ブリヂズトン RADAC RD-1000
C-C長さ 525 (ジオメトリ等詳細は下スプレッドシート)
完成車重量 8336g(いわゆるペダル無しの重量)
車体重量 8604g(ペダル込み走行可能状態での重量)
総重量 10276g(写真の状態での重量・ボトル内飲料は満タンの想定)

以下、スプレッドシート。情報少し古いかも。RADACの欄を参照。



主要パーツ類(合計8604g)

フレームセット/1940g?/RD-1000(C-C520mm)
ハンドル/305g/370mm25.4mmNittoB105
ハンドルシム/8g/NITTO ステンシム 25.4→26.0

ステム/250g/社外品クロモリステム110mm
ブレーキレバー/445g/ST-3300 FlightDeck
ブレーキキャリパー/224g/前BR-7800・後BR-6208改(後ブレーキが7800とのキメラ状態)


ブレーキシュー/46g×2/7800舟+R55C2
フロントメカ/107g/FD-6503改(ワイヤー固定ボルトをTiに変更・変速プレート加工など)

リヤメカ/185g/RD-7800-SS 
※ワイヤー末端処理は、その場で修理できるように接着処理のみ。既に適切な長さに切って末端処理した予備がツールボトルに入っている。フロントも同様。

クランクセット/690g/5ピンTi 52-39T SR SUNTOUR SUPERBE PRO
クランク固定ボルト/11g×2/汎用品Ti製
※インナーリングのみ純正42T→シマノ製39Tに交換。ボルト類は全てチタン。それなりに軽量化されている。この形状の5アームなのは私の個人的な趣味。

ボトムブラケット/270g/EBBUN300B10X
リヤスプロケット/231g/BIKECO 12-15T 8s

チェーン/310g/CN-HG40
シートポスト/216g/ VIVA 25.8mm 改
シートピン/12g/スギノ22mm
サドル/249g/fabric SCOOP flat elite BKB 

ペダル/268g/MicroHero(SPD-SL)
フロントホイール/755g/手組 HB-7700 REFLEX 2cross SB #14
リヤホイール/970g/手組 FH-7700 REFLEX 3cross SB #14
タイヤ/300g×2/Continental GIRO 85psi±2.5
フロントクイック/98g/ミノウラFe製
リヤクイック/95g/ミノウラFe製・改
ケーブル一式/160g/アウター日泉・インナーテフロン
ペダルスペーサー/1g/DIXNA 2mm
エンドキャップ/25g/メーカー不明
ボトルケージボルト/2g×4/純正から変更Ti製
チェーンデバイス/8g/汎用品改ボルトAl製
BB下ケーブルガイド/10g/純正改ボルトAl製
Wレバー部アウター受け/10g/シマノ製改ボルトTi製
バーテープ/50g/プロ(PRO) バーテープ スポーツコンフォート厚さ3.5mm


付属品類(合計1672g)

ライト/82g/バッテリー込
マウント類一式/40g/ベル25g含む
ボトルケージ前/35g/ミノウラ
ボトルケージ後/18g/CFRP魔改造
ボトル/63g/BEKAサイクルボトル
ドリンク容量/610g/610ml
工具&ツールボトル/282g/ワイヤーロック除く
固定ベルト&スペアタイヤ/310g/--
ワイヤーロック/72g/ダイヤル式
フレームバッグ/100g/詳細不明
サイクルコンピューター&マウント/60g/自作



レイダック変遷の歴史


①受取り前(写真はおそらく2021以前)
父親から引継いだ自転車だったのですが、当初はこんな感じでした。シマノ600で揃っているので、おそらく「ほぼ純正そのまま」だろうと思います。


②受取り直後(2022.10)
動画で詳細述べてます。別ブログにまとめてますが、しまなみ海道をラストランとして父親から譲り受けました。その時のブログはこちら↓


ギヤ比がつらいということで父は8×3でパスハンターのようなギヤ比で使っていたようです。ここはロードバイクらしい8×2のノーマルクランクに戻しつつ改造し直すという流れになります。例のごとく私のやることなので、全バラしからの組み直しなんですけどね。


③2023新春
社会人になってから数年間ロードバイク乗ってなかったので、まだ今よりステム短いままです。正直体硬くなってるなあと思いました。チューブラーで組みなおしてノーマルクランク入れたので、かなり当時の自転車としての統一感が出たかなあと思います。サドルは薄っぺらいですけどね。


④2023年末
何回かロングライドに出て、忘れていた感覚も掴んできた頃です。ポジションも含めおおよそ今と同じ状態になりました。③では23Tでしたが、アワイチで地獄見たので25Tになりました。若干の妥協。


⑤2024年
ほぼ今と同じです。別銘柄のサドル試してました。見た目としてはこういう系のサドルが似合うんですが、この時代のサドルってベースが硬いのしかないんですよね。私はベース柔らかくてクッション薄いのが好きなので、見た目より実用重視ということで元に戻しました。



バカでもわかるブレーキの話【自転車】

 

メカニカルシステムというのは、全てを統合して考えて初めて意味をなすものです。たとえば、自動車の足回りなんかはそうですよね、車高下げただけでOKと思ってる馬鹿が多いですが、サスペンションジオメトリーが変わることを考えてるのは、本当にサーキットを走る気がある人くらいなものです。別にそれは個人の趣味の範囲なんで勝手にやって貰ったら良いんですが、「好き」と「良い」は全く別物なので、全く意味のない水掛け論にしかならない訳です。

私はそんな無駄話に興味がない人間です。腐っても整備士ですから、現実に起きている物理現象以外に興味はない訳です。そこで、自分のテリトリーであるブログの中で、私なりに統合した考えを書き残します。

皆さん、自分のオナニーは自分のテリトリーの中でやりましょうね。SNSでしょうもない水掛け論するのは、他人の家に土足で入ってオナニーしてるのと同じですよ。気持ち悪い。




ではまず、クソ当たり前の話から。自転車のブレーキシステムはおおよそ「てこの原理」を使った装置を基本とします。てこの原理は義務教育やってれば分かると思うので簡単に言いますが、「『移動距離』と『力の大きさ』を『等価交換』する装置」です。

諸損失の話は後でするとして、とにかく『等価交換』になりますので、そこに奇跡は起こりません。まずは幻想を見るのをやめましょう。



カンチブレーキについても、日本でも海外でも効く効かない論でバッサリ割れてますが、それはアーチワイヤーとプロファイル、それから使用するレバーの問題です。これらの要因がテコ比を決めているので、単にセッティングミスってます。カンチブレーキの問題ではないです。カンチブレーキでも普通にジャックナイフします。どうセッティングしても効かないと思っているのであれば、それはあなたが整備センスないかよほどのデブということですから、Vブレーキ使ってください。あれはバカでもいい感じにしてくれるブレーキです。

少しだけヒントをあげるならば、ロープロファイルは使わないほうがいいです。あと、アーチワイヤーは◯◯(ある角度)にしましょう。それから、フレームの台座がグニャグニャの自転車はもう諦めてください。



このタイプの補助ブレーキ付けてる人はさらに調整難しくなりますよ。引きしろが普通より短くなるので、ホイールの振れ取りとブレーキのセッティングちゃんとできる人じゃないともう無理です。素人がいちいち「でも、散々調整して効かなかったんですよぉ~」とか言ってるのを相手するほどどこのプロもマニアも暇じゃないです。「ああそうですか、じゃああなたはそう思うんですね(その調整じゃ絶対無理だろ)」で終わりです。




等価交換するとどうなるかというと、当然ながら反比例の関係が成り立ちます。つまり、大きな力を得るにはブレーキシューをギリギリまで寄せるか、すげえデカい手ですげえデカいレバーを引くことになります。後者はどう考えても無理なので、テコ比(アーム比×レバー比)を大きくしてブレーキシューを寄せていくしか手段はありません。これはサーボブレーキ以外の方式では絶対のお約束です。

ここで察しの良い方はお気づきかと思いますが、ママチャリのような「ホイール振れてもほったらかしで乗るようなユーザー層の乗り物」はリムブレーキで制動力を得るのがかなり苦しいです。それを考えると、荷重の大きいリヤタイヤのブレーキシステムをハブブレーキにするのは納得ですよね。前輪はそもそも強く効かせる必要がないのでシューとリムのクリアランス広めなブレーキ。後輪は効かせたいけど引き擦りたくないのでハブブレーキ。非常に理にかなっています。

ママチャリにディスクブレーキを!と言う人をたまに見かけますが、全く合理的ではありません。本人は制動力が高いので良いと思っているかも知れませんが、都会の狭い駐輪場でちょっと他人にぶつけられたら引き摺るようなブレーキ方式を、ママチャリのユーザー層は欲しがるでしょうか?




ママチャリでも高い制動力が欲しい場合、サーボブレーキを用いると良いです。自動車でいうところのドラムブレーキですね。

サーボブレーキは自己倍力(詳しくはggrks)を用いたブレーキであり、テコ比に頼り切らずとも高い制動力を発揮できるブレーキ方式です。しかもディスクブレーキのように剥き出しでもなければコストも安い。熱に弱いとかはあるんですけどね。

自動車業界の一般論として「ドラムブレーキは雨の日に効きが不安定になる」というのがありますが、いわゆる安物のバンドブレーキよりはマシです。さらに雨の日の安定性を求めるならローラーブレーキという選択肢になります。

下手なリムブレーキより効くし、リムの振れに影響されないというポジションがサーボブレーキです。




さて、SNSの皆さんが大好きか大嫌いか知りませんが、謎に語られやすい油圧ディスクブレーキ。MTB乗りでなおかつ自動車でも整備しまくってきた私からすれば「何を今さら語ることがあるんだ・・・?」というのが本音ですが、その気持ちは心の奥に仕舞っておきますね。

レバー比A/Bと、面積比L2/L1が全体のテコ比となる仕組みです。構造上油圧ディスクブレーキはパッド移動量を小さくしないと正常に作動しないため、「クッソ効くけど引き摺りやすいブレーキにするしか選択肢がない」のです。同じことの繰り返しになりますが、「効くのではなく、効かせるしかない」ブレーキ方式ということになります。

(一応マニアのために言っておきますが、上記はあくまで原則的な話です。マグラの油圧リムブレーキというものがあってそれはシュー移動量大きいけどな!とかそんな話は知ってますので。)

効かせるしかないので、すなわちリムの振れは許容できないということになります。そこで、リムとは別にローターを取り付けてやろうというのが基本的なプロセスです。リムが振れようが歪もうが関係なくなりますからね。

さて、このブレーキ方式の一番の強みは「セルフアライメント」です。ブレーキが自分自身でC1とC2の隙間を均等かつ一定に保ってくれます。つまり、パッドが消滅するまで安定したブレーキ性能を発揮するということです。

残念ながら、放熱性はアルミリムのリムブレーキより劣ります。理由はいちいち書きませんが、「カーボンリムになって放熱性と安定した制動力が得られなくなったからディスクブレーキに移行した」とも言えますね。

MTBとは全く異なる理由で移行した訳ですから、リムブレーキとどっちが良いとか考えても無駄な訳です。カーボンリムならリスク回避のために油圧ディスクを使うしか選択肢がありません。そもそも接地面積がちょっとしかないロードバイクで、雨天時の高い制動力を突き詰めても無意味です。サイクリングレベルで安全性とかの話をするならそもそも雨でスピード出すなという話ですし、ホビーレースの話なら問答無用で最新機材かつレース機材のほうが優秀に決まってるんで、考える意味はないんですよ。




そもそも自転車がなぜ長らくリムブレーキだったのかという話ですが、理由は超簡単で、「構造上効かせるのが簡単」だからです。リムブレーキのブレーキ摺動面とタイヤ接地面が上の図のようであるのに対して・・・

ディスクブレーキやハブブレーキ(便宜上『ハブ側ブレーキ』)はそもそもが不利なわけです。もっと言うと、ハブ側ブレーキはスポークに負荷をかけるため。スポークを減らしたいロードバイクでは「いらないなら使いたくない」という位置づけになる訳です。ロードバイクはレース機材ですからね。

カーボンリムが主流になったことで、リムハイトを多少大きくとっても重量増加は少なくなったため、そういう条件も加わってさらにディスクブレーキのハードルは下がりました。

これまで述べたようにディスクブレーキは目的ではなく結果として使うようになった訳です。つまり正しく論じるのであれば「カーボンリムの軽さはレースで優位性があるのか」とか「今こそバトンホイール復活の時では?」とかそっちの話になる訳です。ブレーキで勝とうなんてたぶん誰も考えてません。もしブレーキで勝てるなら、リムブレーキ時代はVブレーキが大人気だったろうと思います。

あともう一個言いたいんですが、総重量もタイヤの種類も自転車の用途も定めずにブレーキのこと論じるって時間の無駄じゃないですか?私はアホの会話だと思ってます。




あとは、ポジションやジオメトリーを無視してブレーキの良しあしを決めるのも意味不明だと思います。イラストは誇張ですが、合成重心の高い自転車に極端に効くブレーキを入れても前転するだけです。意味ないんですよ。



特にフロントセンター長は自転車の制動に大きく影響します。同じ制動力でも合成重心にかかるモーメントの方向が変わるため、フロントセンターが短いほど後輪がリフトしやすくなります。

同様の理由で、ストレートピラーでサドルめいっぱい前にする、いわゆる「TTポジション」も後輪がリフトしやすくなります。で、今回の無駄な論争でよく見かけるのは、さんざんブレーキの制動力を語っておいてTTポジションみたいな自転車が非常に多い訳です。

そこまで他人に口出ししたいなら、まずブレーキ効かせられる姿勢を作れよと思いますが、それはしないんですよね。彼らがただの物フェチであることがよくわかりますし、オンロードしか走れない「ローディー」(ローディとは本来、蔑称のことなんですよね)であるとよくわかります。あの考え方でオフロード行ったら斜面でずっこけて終わりですよ。ブレーキ以前の問題です。


以上、バカでもわかるブレーキの話でした。