2025年11月16日日曜日

Bianchiミニベロレストア⑥組み立て

注意:2液性ウレタンクリア完全硬化(数日かかる)より前の組み立ては塗装剥がれのリスクがかなり大きいです。。私は慣れてるのでやっちゃってますが、基本的には真似しないほうが良いと思いますし、私も自分の自転車なのでやってしまってるだけです。くれぐれも真似しないでください。

自転車を完全に組み立てる前に、各部寸法を最適にしておくのは大切です。寸法がずれている自転車を組み立ててしまってから調整しても、元がずれているのでどうしようもない訳です。(具体的にはチェーン落ちなどを引き起こします。)
まずは、画像にあるチェーンラインを見ます。チェーンラインはドライブトレーンの要です。

チェーンライン測定結果はこのとおりです。誤差1.2mmということになりました。リアセンターが425mmもあるという好条件を考えると、この数値は誤差範囲ですね。
スクエアテーパーBBはこのあたりを「調整しなければならない」とも言えますが、「調整することができる」とも言えます。つまり、滅茶苦茶な組み合わせでもちゃんと動作する自転車にできるわけですね。互換性に苦しめられる現代では、一周回ってありがたい規格です。

余談ですが、スクエアテーパー規格は現物合わせになります。シマノ同士ならややこしくないのですが、スギノがどうとかサンツアーがどうとか言い出すとそれなりに面倒くさい話になってきます。マニアックな話になるので省略しますが。
そこで、過去に使い古したBBを捨てずに置いておくと、BB軸長の現物合わせができるのでオススメです。

この次にQファクター左右差を測定します。
左78 右78 トータル156 です。
トータルはクランクで決まってしまうので触れませんが、左右差はないのでこのまま組めます。もしずれている場合は、スペーサーを入れる必要があります。

各部寸法は合格ということで、ここから組み上げていきます。本来ならばフェーシングやタッピング、鉄(おそらくハイテン)である前エンドの修正なども行うべきですが、まあ今回は組み付けに影響するような所はなかったのでスルーします。
特にエンドの精度は、やるとしたら前後やらないと意味がないのですが、後ろはアルミですからね。ちなみに前後ともに精度はあまり良くなかったです。Bianchiと名が付いていてもこんなもんですよ。
精度の悪いエンドを使わなければならない時は、クイックは丈夫で固定力のあるものにしましょう。全てを誤魔化してくれますから。
リムセンターは、空気入れた時のテンションドロップ(スポークテンションが落ちること)を考慮した上で出してます。

今更ですが、今回のレストアでの主な購入品。
レストアというと海外Youtuberのレストア動画で何でもかんでも新品交換という動画をイメージする方もいるでしょう。しかし、実際に新品交換する所は消耗品と一部のパーツのみです。
今回のレストアは1.5万円+私の頑張りでした。改造箇所はフロントダブル化のみです。クランクやタイヤは私の手持ち中古品を使いました。中古品を新品で買ったとするとトータル3万円とか4万円になると思います。
また、塗装に0.5万円ほどかかっていますが、塗装しない場合はもっと安くなります。油脂類や工具を持っていない場合は高くなります。

追記
買い足し ケーブル類、ケーブル小物、ライト台座0.2万円

FDが追加されるためBB下ケーブルガイドは変更しました。

FDはFD-R2000。ギヤ比的にロードコンポ用が適切だろうということでチョイスしました。後述しますが、レバー側がダブルレバーなので互換性もクソもなく使えます。ビバ、ダブルレバー。
ロングアームなのでケーブルに掛かる負荷は少なめです。

ちなみになんですが、R2000の調整がクソめんどくさい理由はロングアームだからなんですよね。ここから少し脱線して解説します。

これが旧来のFD。
アームがくの字に折れ曲がっており、引く向きが接線方向に近く効率的です。
シフトレバー側でテコを稼いでいるため、シフトレバーを大きく動かす必要があります。レバー側のストロークを小さくしたければ、レバーの動きが重くなります。


こちらがR2000。
単にアームが伸びているだけではなく、立っています。接線方向と引く向きが大きく異なるため、効率そのものは旧来より悪いはずです。また、力点から支点の距離が大きくなったため強度が落ちやすくなっています。ワイヤーの角度も既にギリギリでシビアな状態のため、調整には面倒な手順が必要になります。まあ正直、そのへんはシマノなので当然のようにクリアしてるように見えますけどね。
現行の構造は、スプリングの強さはそのままにワイヤーの張力を小さくすることに成功しています。引きが軽くなることは当然ながら、シフターからFDまでの撓みが小さくなります。結果、手に返ってくる剛性「感」はかなり良いものになる訳ですね。
忘れてはならないのは「効率そのものは悪い上に、ロングアームなので動きがトロいはず」なので、現行で最強なのは上位グレードのトグル機構になっているタイプです。

ここまで脱線して語っておいてなんですが、私がこのFDにした理由は「売ってたから」です。
すいません。


話は戻ってハンドル周り。
フロントディレーラーは平坦アウター固定、ヒルクライムでインナーという読みなので、頻繁に触らないだろうという予測。よってフロントのみダブルレバーで変速します。
これは、ケーブルの取り回し上グリップシフトよりダブルレバーのほうがメカトラ予防になるからです。頻繁な変速の必要がない箇所はダブルレバーが最強です。ケーブルのほつれも可視化できますからね。

ライトはレイダックと兼用です。よってマウントだけ買いました。
今回はハンドルスタビライザー付けないので、フロントに付けるものはライトだけにしておきます。

荷台はとりあえず適当に塗装して取り付けました。

この状態で約11.5kgです。それがどうという訳ではないですが、おそらくフレームは剛性過剰なのでまあまあ走ると思います。過剰なぶんには調整できますからね。

なんかこの自転車、雰囲気だけパスハンターっぽいですね。サスペンションフォーク入れたら林道くらいはいけるでしょうね。小径車はRD草絡まるのがオチなんで行かないけど。


さて、Amazonで注文した部品(ケーブル類)が今日届くはずですがまだ届きません。最近このパターン多いです。Amazonflexの個人配達員頼みなので仕方ないパターンがあるのは分かるんですが、「明らかに今日届く見込みがないもの」を「今日届く」と謳って販促するパターンが多いです。
最近は「即日・翌日配達」が商品のステータスになりつつある時代なので、こういうのは商品掲示法か何かの改正でどうにかして欲しいところですね。


そういうわけで、次回はケーブル通して実走まで持っていきたいと思います。

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