2023年5月9日火曜日

生活の気配

二日前に飲んだ空の容器や昨日の仕事の荷物が、ここで暮らす人間の営みと忙しさを言葉なしに語っている。
片付けや掃除はわりと好きだ。ここで人間が生きている形跡を肌で感じることができる。大袈裟に聞こえるかもしれないが、生活を支える人はみんな美しい。
二人と二匹で生活をスタートしてから、メダカを飼ってみたり花を植えてみたり、去年末にはレオパルドゲッコー一匹が家族に加わった。
アパートの小さな一室でも、胸を張ってここで生きていると言える。、実家から自立した私が、大きく変わったことだと思う。

しかし、時間を一年という単位で見たときに、変わらずにこの家族で支え合うことの難しさを痛感した。変わっていく物事の中で確固たるものを持ち、気まぐれではなくずっと愛情を注ぐためにはどうすればよいだろう。時々わからなくなる自分がまだまだ子供っぽく思える。それでもマンガのように自分の弱さに酔っている猶予はなく、強くなることを余儀なくされているのだ。

それは、他でもなく自分がここを守りたいと思っているからだ。これまで守りたいものなど何もなく生きてきたから、危険でも楽しさを優先したり周りに構わず行動したりしてきた。そんなロクデナシが変わったのは守りたいと思わせてくれた家族のおかげだ。

自分を守ってくれた家族(実家)と、自分が守りたい今の家族。尊い存在であるし、ほんとうに感謝している。
物理的・肉体的にしんどい時にも、同じ気持ちでいるためには、気持ちばかりではなく行動にしていかなければならない。家族と暮らしてから毎日悩み続けていることで、これはきっと死ぬまで続くことだろうと思う。しかし、こんな贅沢な悩みをさせてくれる全てに対する敬意を、私は忘れてはならない。

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