レイダックの時代はWレバーが当たり前で、その少し後にSTIが普及します。私のレイダックには昔ながらの「触覚シフト」かつエルゴパワータイプのリリースレバー、いわゆる「親指シフト」を採用しています。ものはSORAグレードのST3300という安価なものなので、取り立ててどうという製品ではありませんが、なぜこのような選択肢をとっているのかご紹介します。
併せて、STIレバーにはどんな選択肢があるのか、何を基準に選べばいいのかご理解頂けるのではないかと思います。
ドロップハンドルは、基本的にブラケット持ちを多用するハンドルです。ロードバイクユーザーならご存知かと思いますが、指のかけ方を変える・スフィンクス持ちをする・先端を握るなどブラケットには多様な持ち方があります。スフィンクス持ちなどを行う場合にはいわゆる親指シフトでないとリヤのシフトアップが不可能だったりもします。
逆に下ハンドルでリヤをシフトアップする場合には一般的なSTIレバーが良いので、用途によって最適なレバーが異なることは留意すべき点です。
また、ベアリングのグリスが凍るような場所で冬に乗る方は、グローブが邪魔になってSTIでは操作しづらいです。そのような場合にはダブルタップ、エルゴパワーに優位性があります。シフトストロークの短い電動シフトも良いかも知れませんが、寒いと通常よりバッテリー消耗は早くなるので予め理解しておく必要があります。
(ちなみに、エルゴパワーはちょっと軽量です)
ブラケットに穴が二箇所あります。真上にあるのはレバーの初期位置調整用で、これがなければ指の短い人はなかなか厳しいです。そうでなくても好みの位置に調整できないので微妙に痛いところです。
もう一つ、メクラ蓋かスイッチのようになっている場所があります。これは知る人ぞ知るFlightDeckという機構です。
ブラケットカバーをめくると、何やらサービスホールのような蓋がネジ留めされています。
その蓋を開けると、センサーが内蔵されています。実はこれ、変速位置を信号で拾って専用のサイコンに表示できるという仕組みです。今では電動シフトで当り前に存在していますし、昔からもシフトインジケータという機械式のシステムは存在していました。
私はダブルレバーで慣れていたので、シフト位置がわからなくなったら直接ギヤを目視してしまうのですが、人によっては良い機能になるのではないでしょうか。
(そもそも私はFlightDeckの機能を使ったことがないのですが。)
シフトケーブルがびろーんと出ているこの方式、フロントバッグを付けるのに邪魔であったり見た目がすっきりしなかったりと、色々難点があります。
そんな嫌われ者だったりもするのですが、実はこの方式はシフトケーブルが切れにくいというかなり有利な点があります。
というのも、ハンドルに添わせるタイプのものは
シフターの動きに対してワイヤーをブラケット内で90度曲げています。これが原因となって太鼓付近でケーブルが非常に切れやすくなっており、定期交換をサボると切れてしまうのです。
定期的に変えれば良いという話ですが、頻繁に乗る人にとっては触覚ありも選択肢に入るのではないでしょうか。(私は精神衛生上触覚ありでも頻繁に交換して、さらに長さを整えた予備ケーブルをツールボトルに入れています。)
・ブレーキレバー初期位置が調整できるものを選ぶ(大抵が調整可能)
・触覚は邪魔になる場合もあるが、あったほうが機械的には有利
・シフト位置は後付けで表示できる
ちなみに、ネットにはあまり書かれていませんが、レバーとハンドルの組み合わせが悪かったりレバー側の形状が悪かったりすると、ブレーキケーブルの取り回しに苦労します。工作の苦手な方は、最初から欲しい型のレバーが付いた自転車を買うのも良いと思いますよ。
0 件のコメント:
コメントを投稿