今回は異音診断の初歩的な事例です。
段差乗り越え時などに足回りから異音が発生する旨で診断を行います。
異音診断は感覚的なものであるため、まずは念入りに問診を行います。問診の基本は5W1Hで発生条件を絞り込みます。今回の場合は段差時いつでも発生するようなので、再現は容易にできました。
フロントサスペンションからの異音です。
サスペンションのアームやボールジョイント類、ハブにはガタがみられませんので、ストラットの異常を疑ってみます。
ストラットは外さず、ホイールまたはロアアームを上下方向に揺さぶってみます。
すると、ガタガタと動くのを確認できました。室内からアッパーマウント部を確認してみると、ガタがあるのを目視できます。
ボルト類の緩みがないことを確認できたので、ストラットサポートが痩せて起きた不具合と推定できました。
この事例はサービスキャンペーンの対象になっているため、無償交換になりました。本件に関わらず、ストラット分解時にはアッパーマウント部のベアリングを交換するようにしましょう。
ベアリングの動きが悪くなっていると、走行時にスリップスティックという別の異音が発生する原因になります。
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