2024年2月3日土曜日

FDのプレートの形状だけの話

シマノ600(FD6400:STIと互換性なし)を入れて2回プル(orレリーズ)でシフト&プレートひん曲げで無理やり使ってみたんですね。斜めシフトの感触が知りたかったので。ただ、結局気に入らなかったです。
ちなみにFD6400で本来のワイヤー取付部の反対側通してSTIに無理やり対応させるという記事を見かけましたが、デタラメだと思います。引き量が相当違うので対応できません。(結局その記事でも別のFDに交換していたので、実際は2回プルで変速するしかないです。)

ので、1日でまた戻りました。何が気に入らなかったかというと、やはり74デュラ付近以降のロード用メカは、チェーンリングをひん曲げながら強引にシフトアップする感じがするんです。というか実際そうなんですが。これだけは正直、斜めに動こうが同じでした。
※最近のロード用ダブルはもうちょっとマシですが、基本構造は同じです

ポイントはここ。この時代くらいからは、FDのここがボッコリ盛り上がっていて、チェーンを押し付けるような形で力技でシフトアップします。レース機材としてはぶっちゃけそれで正解なんですが、私はかなりこれが嫌いなんです。乗って走行するとわかりませんが、メンテスタンドの上でやると露骨にクランクの回転に引っかかりが出ます。
それだけでなく、FD全体でも過剰に剛性があるもの(たぶんこれは、FD6400がWレバー用だからであって本件とは直接関係ない)は引っかかりが出た際の遊びというか逃げがなく、チェーンリングを押し曲げます。

ほんで、もとに戻したほうなんですが、これ実はFD650「3」なんです。つまりトリプル用。私は歴代所有のロードすべて「古いFメカ」か「トリプル用」をプレートひん曲げて適当なところにして使ってます。というのは、これらはチェーンリングにあまり押し付けないので、私の好きなフィーリングの変速なんです(好きなだけで、一般に言えば性能が悪い)。オノマトペでいえば「ガチャコン、チャ」というのが好きです。

ほいで一応運用上の注意点がふたつあります。
ひとつは、チェーン落ち防止デバイスが必要なことです。特にフロントトリプル用は、外側のプレート下端に添って内側に段付きになるようプレスされています。おそらく、この自転車(アウター52T)でいえばミドル42Tを狙っての設計かと思いますが、39Tとか38Tだと落ちやすくなります。よって、デバイスは本来の42Tあたりの高さに合わせ、なおかつたすき掛け時にはチェーンとわずかに接触するように取り付けます。これでほとんどチェーンが落ちることはないです。
もうひとつは、プレートを曲げてやる必要がある場合が多いことです。曲げるポイントは以下の通りです。
①外側プレートの処理
・外側プレートの下縁が「アウタートップ時」に当たらないギリギリを狙って外に曲げる。
・外側プレート下縁の凹部後端を内に曲げる。
・外側プレートとリンク接続部分のあたりを内に曲げる。
※明らかに外側プレートを大きく曲げなければならない場合は対応不可と思うのが無難。〜7速用のFDはたいてい対応不可。(今回のFD6400は無理やりやった)
②内側プレートの処理
・一旦ある程度変速調整を行い、再度①を行う。
・インナーローでチェーンがプレートに当たらないことを確認する。
・アウタートップでチェーンがプレートに「強くは接触していない」ことを確認する。
・アジャスターをある程度合わせる
・インナートップでトリムを使用した時、内側プレートとトリムが当たらないように内側プレートを曲げる。ただし、外側プレートに応力を残さないよう各部で調整する。
③微調整
・これらに伴って応力が残らないように各部調整する
・すべての変速範囲で正常に動作し、なおかつアウター時にプレートとクランクアームが擦らないことを確認する。
・全ギヤで適切に動作することを確認する

見ての通り超めんどくさいです。私は昔からやってるので慣れてますが、一切オススメしません。というか、やる必要ないんです。互換性あるのものを買いましょうとしか言わないです。

なお、工具はプライヤーがオススメです。プライヤーのギザギザ面をプレートの上下の端に噛ませてやれば、プレートに傷が残りません。ただし、クロムメッキをしただけのプレートは布を当ててやったほうがよいでしょう。

追記:だいたいの場合、FDのリリース用スプリングはひん曲げて弱めてしまっても問題ないです。そのほうがプル操作が軽くなります。

追記2:チェーンデバイス取り付け位置の参考画像(FD6503使用時 チェーン8s チェーンラインOK)

追記3(20240208)
ワイヤー固定ボルトがM6の64チタン(元はM5)、ワッシャーはアルミになりました。

0 件のコメント:

コメントを投稿